紅茶とモーツァルト

Food,Music

ようやく温かい紅茶が飲める季節になった。夏前に紅茶フェアで買っておいたモーツアルトの紅茶でティータイムを。

ナッツとスパイスの香りが効いた独特の風味です。だいぶんクセがあるので日本人で好きな人は少ないかも。 

それまでMilton Nascimentoを聞いていたのだが、お茶を入れたので、ずいぶん久しぶりにモーツアルトの音楽を聞こうと思った。
このお茶にモーツアルトと言うネーミング、ウィーンの紅茶店のセンスが感じられる。モーツァルトは、クラシック音楽の中でも特異な存在だと、最近特に思う。他のどんな音楽も、それぞれに個性的だけど、モーツァルトは、なんかこう、完成され過ぎているのだ。宇宙の秩序や、無機物の分子構造のように、人の手によらないで始めからそこにあったような。まるで、モーツァルトの手を使って、何か人たらぬ者が書き記したメッセージのようだ。ジュピターの4楽章など、弾くたびに宇宙の深淵が見える気がしていたものだ。そんなモーツァルトの音楽をイメージしたのかしてないのかは知らないが、私にはモーツァルトの音楽を思わせる味わいだった。私は、好きな香り。
で、選んだ曲は、ピアノ協奏曲27番。弦楽四重奏やオペラ、いろいろ好きな曲はあるけれど、モーツァルトで一つ挙げるとすれば、コレなのだ。どの楽章もそれぞれに美しい。昔、テレマンオーケストラ時代に、いろんな事情があったんだろう、もう、しょっちゅうピアノ協奏曲の本番があった。結構飽き飽き(失礼!)なこともあったが、この27番だけは、いつも楽しみだった。たまに、私のこの曲のイメージにピッタリのねいろのソリストに当たると(それは、必ずしも有名なソリストとは限らなかったのだが)、至福の時だった。

ピアノ協奏曲を聴きながら、ウィーンの紅茶をいただく。優雅な時間。たった一つ、残念なのは、洗濯物を畳みながら、という点だ、、、