TOKYO MELODY RYUICHI SAKAMOTO

映画

カッコいい坂本龍一を見に行ったのだが、それ以上に、貴重映像満載の優れたドキュメンタリーだった。
1984年の東京の景色と風俗が、鮮やかに切り取られている。私が初めて東京に行くのは、この後約5年くらい、まだ見ぬ東京の景色だが、時代の空気が充分に蘇ってきた。
「音楽図鑑」レコーディングが克明に記録されていた。少し前、一年ほどかけて、サウンドデザインの初歩を学んだところなのだが、おかげで、当時の機材で行われているシンセの音作りや、レコーディング、ミキシングを興味深く見ることができた。40年前だよ、40年。日本においても、音楽とコンピュータの親和は、とっくに完成していた、、、

音楽家目線を外れて、興味深かったのは、3点。

80年代当時、欧州視点で(当フィルムはフランスの映像作品)捉えた、東京という都市が、新鮮だった。
その中で、原宿のタケノコ族の姿が興味を引いたのか、丁寧に描写されていたが、あの、赤い衣装の子は、ヒロくんこと、沖田浩之?私、大ファンやってんけど。
あと一つ、デヴィッドボウイとのくだりで、坂本龍一が、「(ボウイから)メディアでの自分の見せ方を学びましたね」との言葉にあるように、「素」な感じの坂本龍一ってあまりないんだけど、レコーディングの合間をぬって、中華のような、ご飯とおかずがワンプレートになったのを食べながら、ミキシングの作業を続けるシーンがあって、32歳の若々しい食べっぷりが、印象的だった。偶像崇拝の対象物のようなキョウジュの、初めて見る人間味溢れる姿、、、一番のお宝映像だった。

それにしてもどこまでいっても、何やってもカッコいいキョウジュ。とりわけ、80年代の姿は、そのまま私の青年期の思い出と重なる。胸が苦しくなるほど、素敵なのだ。

惜しむらくは、ここで音楽家に戻って、昔のフィルム故か、全体的に、音(音楽も、音響も)が粗く感じた。それも、80年代を感じるスパイスと捉えるといいのかもしれないけど。

帰ってきて「音楽図鑑2015Remaster」を聴いた。新しい音で聴いても、素晴らしい作品だ。だけど、あの映像には、なんか、クリップ気味のあの音でよかった気もする。

人間の感覚の不誠実さを、知る。

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